2010年10月15日金曜日

田舎くらしの経済、たこ

田舎で暮らしていて気づかされたことがあります。
お金を使わないのです。年金生活者にとってはきわめてありがたいことです。
かといって買い物をしないわけではありません。毎日の生活に必要な食料や燃料は購入しますがそれ以上のものを購入することがありません。
東京にいる頃は新宿に出るだけで往復5百円、珈琲を飲むと700円、食事をすると1000円です。途中で週刊誌などを買うと300円です。新宿にでないときはほぼ毎日で珈琲が500円、お風呂が550円です。
ところがいすみで生活しているとたまに買う青イソメが215円、オキアミが450円くらいです。だがそれは月に2、3回くらいで釣るものを探しているときです。
その換わりに毎日必ず海に出ます。犬の散歩もありますが、釣りに出かけるのです。
そこにはいろいろな釣りをする人がいて、サビキ、投網、タコのテンヤ、ギャング、イシモチ釣り、ルアーです。この他に蟹かごとたこ壷があります。
このなかで餌代がかかるのがイシモチ釣りくらいです。イシモチは青イソメかサンマの切り身を使いますが、あとは餌は使わない釣りです(サビキはコマセを使いません)。
だからお金を使わないのです。
お金を使わなくても、これだけ種類が多いと何れかに獲物があります。たとえばサビキが釣れなくても投網に獲物があります。わたしはこの1週間はルアーばかりですが、アジ20尾、タコ3尾、小さめのシマアジ10尾を手に入れました。多分これを現金で換算すると1万円は軽く超えるでしょう。この辺りのタコはブランド品で非常に高価です。近所のスーパーで地物のタコは足一本500円です。3尾で24本ですからこれだけで1万2千円です。シマアジは寿司屋の高級食材です。
しかしこれはいすみに限ったことではないでしょう。
私の父親が長野ですから、夏休みの何日かを過ごしたことがあります。そのときは鮎が届いたり、松茸が届きます。届くというのは宅急便ではなく、近所の方がとれたといって庭先に置いて行くのです。食卓に載るのは築地や太田などのお金で交換する近代的な市場を通さない食材です。
物々交換でもありません。要するにお裾分けです。お裾分けというのは借り貸しではありません。お友達だからお裾分けするのです。お裾分けで価値の交換があったのかどうか分かりませんが国民経済統計には載りません。
マネジメントスクールの先生はメジャメント、測定できなければマネジメントできないと言っていますが、じゃマネジメントなんかいらないじゃんと言いたくなります。経済学も同様ですね。
写真は今朝、頂いたタコです。毎日タコ釣りにくるご老人に頂きました。一緒に写っているのは朝日新聞です。トップに患者の出血を伝える法的な義務はないという東大医科研の記事があります。お裾分けのタコと朝日新聞の記事はもう病気、それも重病としか見えませんね。

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